水回りのトラブルを解決するために水道工事を頼むと、大体5,000円〜1万円程度の費用がかかります。しかし、修理費用はトラブルの内容によってまちまちです。場合によっては重大な問題が発覚し、100万円以上の費用がかかる可能性もあります。
また、水道トラブルの知識さえあれば、自力で解決できるケースもあるでしょう。
今回は、水道工事の種類や工事の内容、費用相場に業者選びのポイントなど、水回りのトラブル発生時に落ち着いて対処するための情報をお伝えします。
水道工事とは
水道工事とは、水回りに関連する工事全般のことです。日常生活では主に水回りのトラブル対処と考えておけばよいでしょう。厳密にいえば、水道管を敷設したり劣化した水道管を交換したりする作業も水道工事にあたります。
業者しか使えない専用の機材や用品を使ったり、専門知識が必要になったりする工事もあれば、多少の心得と準備さえ整えれば素人でもできる水道工事もあります。水回りのトラブルに見舞われたときに備え、「自分で対処できるかどうか」を見極められるようになりましょう。
水道工事の種類
一般家庭で必要になる水道工事の種類は、以下のとおりです。
●蛇口・台所・トイレなどの水漏れ
●トイレ・浴室・洗面所のつまり
●配管からの水漏れ
●水回りの悪臭
●排水管の清掃
多くの場合、水回りに使われているパーツの故障や経年劣化による水漏れ、または配管のつまりといった日常的なトラブルの対処が中心です。
簡単なトラブルであれば当日中に終わりますが、キッチン全体の取替ともなると1日では終わりません。トラブルの深刻度によって、必要な時間と費用が変わってくることを理解しておきましょう。
基本は掃除と部品交換!種類ごとの工事内容
水道工事の工事内容は、多くの場合掃除または部品交換です。
蛇口・台所・トイレなどの水漏れ
蛇口・台所・トイレといった水回りからの水漏れが起きている場合、壊れている箇所を突き止めて部品交換を行います。水漏れの原因はさまざまですが、接続部分の破損や水漏れを防ぐゴムパッキン・シーリングの劣化、パーツの腐食などを疑いましょう。
なお、水回りの水漏れは、「どこから」「どの程度」の水漏れが起きているかによって被害の度合いや緊急性が変わってきます。たとえば台所の蛇口の水漏れであれば、すぐ下にシンクがあるため周囲に被害が出づらく、比較的落ち着いて対処できるでしょう。
しかし、同じキッチンでもシンクの下につながっている配管の故障・劣化で水漏れが起きている場合、キッチンの足元まで浸水したり調理器具や買い置きの食料品が濡れたりするため、対処が遅れると被害が広がってしまいます。
そのほか、トイレの水漏れは汚水の逆流などにつながる可能性があるため、迅速な対処が必要です。
緊急性の高いトラブルはすぐに業者へ水道工事の依頼を出し、緊急性が低い場合はトラブルの原因を調べ、落ち着いて対処しましょう。
トイレ・浴室・洗面所のつまり
水漏れと同じくらい重大な水道工事のひとつが、トイレや浴室、洗面所を始めとした水回りのつまりです。
排水管や水道管がつまると、蛇口をひねっても水が出なくなったり、汚水を流せなくなったりしてしまいます。とくにトイレのつまりはかなり不便なうえ、被害が大きくなりがちです。
なお、水回りの配管のつまりは、
トイレ…異物
キッチン…油汚れ・食材のカス
浴室…垢・洗剤
上記が原因であるケースが少なくありません。配管そのものに問題が出ていなければ、つまりの原因となる汚れ・異物の除去でトラブルを解決可能です。
配管からの水漏れ
家の中を張り巡らされている配管が劣化し、水漏れが発生するケースもあります。
基本的に、水道の配管は壁の中や床下などの目に見えない場所に通っているため、DIYで対処するのはおすすめできません。キッチンや洗面所、浴室の蛇口やトイレの便器といった分かりやすい場所以外から水漏れしているときは、業者を呼んだほうがよいでしょう。
対応が遅れて壁やフローリングなどに被害が出ると、さらに費用がかかってしまう可能性もあります。
水回りの悪臭
水漏れを放置した結果、配管の周辺や水漏れ部の近くにある木材などが腐食することで悪臭が出ているというケースです。また、排水管の故障で水漏れや汚水の逆流が起きている場合も悪臭トラブルが発生します。
水回りの悪臭は、「水漏れ・パーツの破損」といったそのほかのトラブルが原因となっていると考えられるので、消臭や清掃作業とは別に本来の原因である水漏れなどの対処も必要です。
排水管の清掃
水の流れがよくないときは、まずは排水管の清掃を行います。排水管を清掃する方法はさまざまです。
●柄の長い機器を使ってつまりの原因を掻き出す
●パイプクリーナーを流し込む
●高圧洗浄機を使って水流で汚れを押し流す
など、排水管を解体する必要がないケースであれば、比較的コストもかからず、トラブルを解決できるでしょう。
しかし、頑固な汚れがあったり、高圧洗浄機や掃除用のグッズでは届かない場所につまりの原因があったりする場合は、水回りの設備や排水管を解体して掃除をすることになります。手間と費用が必要です。
水道工事の費用相場は5,000〜1万円程度
水道工事の費用相場は、多くの場合5,000〜1万円前後で収まります。自分では手に負えないと感じた場合や、一刻も早く水まわりのトラブルを解決したい場合、水道工事の専門業者を呼ぶとよいでしょう。
水漏れ・つまりなどの水道工事は5,000〜1万円で修理できる
パッキンの劣化による水漏れなど、パーツ交換が必要な水道工事だとパーツの実費がかかるものの、人件費込みでも費用は1万円以下です。作業時間も比較的短いため、トラブルに気づいてからすぐに業者へ連絡すれば、その日の内に問題を解決できることも多いでしょう。
業者に依頼すれば、サイズの合うゴムパッキンをホームセンターで探したり、パイプクリーナーや高圧洗浄機を用意したりする必要もありません。
キッチン・浴室の入れ替えだと予算が100万円以上にふくらんでしまう
排水管の寿命など、キッチンや浴室設備そのものを入れ替える必要がある場合、100万円を越える費用がかかる可能性があるため、注意が必要です。
水回りの設備は、おおよそ15年から30年程度で寿命を迎えます。定期的にパイプクリーナーなどを使ってメンテナンスをしていても、いずれは交換が必要になるので、一戸建てや分譲マンションに住んでいる場合は毎月修繕費用を積み立てておきましょう。
問題が出ていないならともかく、水漏れや悪臭などの問題が起きている状態で水回りの設備を使い続けると、建材の腐食といった別の問題にもつながりかねません。腐食した建材は補強や修理をしても元の強度には戻らないので、家を長持ちさせたいなら、できるだけ早い対処が必要です。
水道工事のトラブル時にあせらないための2つのポイント
水道工事のトラブルに見舞われたときは、あせらず対処することが大切です。パニックになり被害を広げてしまうことがないように、落ち着いてトラブルの状態や原因を見極めましょう。
突発的な水回りのトラブルに対応するために、2つのポイントを紹介します。
1. 水漏れトラブルは水道の元栓を閉めれば被害の拡大を防げる
水漏れや断水といったトラブルは、軒先などにある止水栓を閉めてしまえば、ひとまず被害の拡大を防げます。
いざというときに備えて止水栓の位置や操作方法を確認しておけば、水漏れトラブルに遭遇したときもすぐに対処できるでしょう。
トラブルの原因が自分では解決できないことだったとしても、まずは被害の拡大を抑えることが先決です。元栓を閉めて、水道工事の専門業者を呼びましょう。
2. 断水の場合はすぐに重大な問題になるリスクは低い
水が出ないトラブルは、水漏れや悪臭、汚水の逆流に比べて被害が拡大しづらいです。少なくとも、すぐに家中が水浸しになったり、建材が腐食したりする心配はないでしょう。
自宅で断水が起きたときは、最寄りの水道局のホームページを調べたり、ご近所の方に話を聞いたりして、計画的な断水なのかそうでないのかを確かめましょう。
計画的な断水であれば、時間がくれば水が出るようになりますし、ほかの家や周辺地域で問題が起きていなければ、業者の利用を検討できます。
止水や軽い掃除は自宅でも出来る
水道工事の必要なトラブルに対して、素人ができるのは水の元栓を閉じて被害の拡大を防いだり、つまりの解消グッズを使ったりすることくらいです。手先が器用な方であれば、簡単なゴムパッキンの交換も可能でしょう。
しかし、目に見えない部分や分解に専門的な工具が必要なケースになると、個人での対処は難しいでしょう。
ひとまず止水栓を使ったり、つまりの解消グッズを使ったりしても問題が解決しないときや、被害が大きい場合は、業者への相談がおすすめです。
業者選定時の2つのポイント
水道工事の業者を選ぶ際のポイントは、以下の2点です。
●水道局の指定工事店を探す
●連絡をした際の対応を見る
最寄りの水道局に連絡すれば、水道局に認められた品質の水道工事業者を紹介してもらえます。水道局の指定を受けている業者なら、法外な費用を請求されるおそれもありません。
また、電話やメールで相談をした際の対応も重要です。粗雑な対応や工事の押し売りなどをしてくる業者との契約は避け、誠実に対応してくれる業者に依頼しましょう。
また、水漏れ対応など、自分でできることをやっておくことも大切です。ゆとりがあれば、複数の業者から見積もりを取ることもできるでしょう。慌てず冷静に対処し、信頼できる水道業者を選んでください。