生活のなかでもっとも重要な要素の1つが水です。食事や入浴、トイレなど、生きていくうえで水は絶対に欠かせません。
生活のなかで水回りを管理してくれるのが、水道管です。頼りになる部分ですが、いつまでも最善の状態を保てるわけではありません。
定期的にメンテナンスを行う必要があります。今回は、水道管の老朽化による影響や対策について解説します。
排水管清掃はどのタイミングで行えばいいのか
水道管の1種である排水管は、使用した水を流してくれる重要な部分です。使用した水を流すため、基本的には汚れた水を取り除くために用いられます。そのため、水道管のなかでも特に劣化する速度が激しいのです。しかし、普段の生活のなかでどれだけ汚れてしまっているのかを確認するのは難しいでしょう。その結果、詰まってしまい排水しづらくなってから清掃することになりがちです。
ですが、排水できなくなってからではなく、定期的な清掃を心がけることで老朽化の速度を抑えることができます。また、詰まってからの清掃は、作業が大規模になる恐れがあります。おおよその目安として、新築から7〜8年経過したら高圧洗浄によって排水管を清掃しましょう。
一度実施した後はどのくらいの頻度で実施すればいいのか
新築から7〜8年経過してから清掃したからといって、次の機会がさらに7〜8年後だとは限りません。建築してから年月が経てば建物が劣化していくのと同じように、排水管も劣化しているためです。新築の場合、最初に清掃してからさらにおよそ3〜5年経過した辺りが目安でしょう。
高圧洗浄は、非常に強力な清掃方法です。そのため、一度行えば排水管の内部はかなり綺麗な状態となります。しばらくの間は詰まりを警戒する必要はありません。しかし、年月とともに排水管内部も確実に劣化していっているため、短めのスパンで清掃することが大切なのです。
基本的に建築から何年も経っているとされる賃貸住宅は、さらに細かい頻度で排水管清掃を行う必要があります。マンションのような集合住宅の場合、住人がそれぞれ依頼するのではなく、管理組合がまとめて引き受けてくれます。
排水管を綺麗に保つためには
水は、生活していくうえで必ず必要です。そのため、排水管が汚れてしまうのは必然的ともいえます。可能であれば、できるだけ排水管を汚さないようにしていきたいところです。排水管を綺麗な状態で保ち続けるために、汚れの原因を理解してあらかじめ対策を講じましょう。
台所の排水管が詰まってしまう原因とその対策
台所の排水管が詰まってしまう最大の原因は、油と脂です。肉を茹でたあとの水やカップ麺の残り汁など、こういったものを台所の流しにそのまま流してしまうと、排水管を通ってしまいます。このような油や脂は流れきることがなく、排水管の内部に付着します。
排水管の内部に付着した油や脂は年月とともに重なっていき、やがて分厚い層のようになってしまいます。そのうち固形物なども流せないほど汚れてしまい、やがては水が流れなくなります。対策として、炒め物をしたあとのフライパンなど、拭き取れる量の油や脂はキッチンペーパーなどで取り除き燃えるゴミにすることがおすすめです。
揚げ物に使用した油を台所に流すのは、排水管の劣化だけでなく環境にも大きなダメージを与えます。絶対に止めましょう。市販で売られている凝固剤などを使用するなど、排水管を汚さない工夫が大切です。
浴室の排水管が詰まってしまう大きな原因は毛ゴミ
人間の髪の毛は1日におよそ100本抜けているとされています。生活のなかで自然に抜けて地面に落ちることもありますが、一般的には入浴の際に洗髪して流れるのがほとんどでしょう。そのため、浴室の排水管には、多量の毛が流れてしまいます。
排水管を辿っていくと、外につながります。そのため、水が流れていない状態だと、外からの虫の進入や排水管内部の臭気が漏れ出るといった現象が起きてしまいます。このようなトラブルを防ぐために、排水管には常に水が貯められるようトラップと呼ばれる特殊な構造となっています。
この構造は非常に効果的ですが、一方で毛が引っかかってしまうことで詰まり、水が流れなくなってしまう恐れがあります。浴室で排水しづらくなっている現象の原因のほとんどが、トラップによるものです。そのため、定期的に排水口を掃除することで改善が期待できます。
まずは、排水口の一番上にある目皿、続いてその下にある排水管をそれぞれ取り外します。排水管を取り外すとカップ状の中身が確認できます。水が溜まっていますが、周りに付着してしまっている毛ゴミを取り除きましょう。あとは、手の届く範囲を洗剤やスポンジを用いて清掃します。個人の範囲内で行えるのはここまでです。浴室はほぼ毎日使用するため、定期的な清掃を心がけましょう。
排水管のトラップには、上記のように排水口部分のものと排水管の形状を意図的にS字やP字に曲げたものが存在します。排水管の形状をあえて複雑な形状にすることで、虫や臭気の侵入を防いでくれるのです。しかし、形状が複雑であるために却って固形物が引っ掛かりやすくなってしまいます。
排水口部分のトラップで防げなかった汚れは、排水管へと流れていきます。内部のトラップが詰まってしまうと、水が流れづらくなるどころか臭気の原因にも発展します。個人の範囲内では清掃が困難であるため、業者に高圧洗浄を依頼しましょう。
日常的に使用する洗面所の排水管はとても汚れやすい
1日の始まりにだれもが向き合うのが、洗面所です。洗顔や歯磨き、セットなど、さまざまな用途に用いられます。あまり意識していなくても、実際には排水管を汚してしまう原因を数多く流してしまっています。流した洗顔料や歯磨き粉、口内の物質、髪の毛、化粧品の油分など、これらは排水管が詰まる原因です。
洗面所の排水口部分も、トラップとなっています。そのため、日常的にトラップを清掃することで、詰まるリスクを軽減させられます。洗面所の排水口は、浴室よりもかなり細い形状であるため、よりこまめな手入れが必要です。
洗濯機に使用する排水管にも詰まるリスクはともなう
室内に洗濯機を設置するための洗濯場を使用している場合、そこで用いられている排水管も詰まってしまう可能性があります。洗濯場の排水管の場合、洗濯で出た毛ゴミや周囲から侵入した埃などが詰まりの原因です。少々大変な作業になってしまいますが、洗濯機を一時的に移動して定期的に清掃しましょう。
洗濯場の排水口も、トラップとなっています。そのため、トラップ部分さえ綺麗にできれば排水管自体が詰まってしまう恐れはありません。
排水管には高圧洗浄を
排水管は、日常的に必ず使用する部分です。普段から汚れの原因となるものを流さないように工夫したり、個人の手が届く範囲で定期的に手入れをしたりしましょう。しかし、それでも劣化を遅らせるだけです。数年おきに、高圧洗浄での定期的な清掃を行いましょう。
汚れを放置すると、排水管はどんどん劣化していきます。水回りのトラブルは解決までに時間がかかるだけでなく、近隣住民にも迷惑をかけてしまう恐れがあります。手遅れになってしまう前に、対策を講じることが大切です。