台所から悪臭がしたら、それは台所排水管が詰まっているせいかもしれません。悪臭のない台所を保つために、まず台所排水管の構造を理解することが大切です。排水管の3つの構造とその役割について解説します。
排水管の形によって詰まりやすいものがあるので、定期的な掃除を行い、悪臭や詰まりを予防しましょう。
台所排水管の構造は?3つのメカニズムを理解しよう
台所排水管の構造は、ほとんどの家庭で同じです。排水バスケット、排水トラップ、排水ホースの3つの部品が、排水口の悪臭や詰まりを防いでいます。
1.排水バスケット:排水口に流れ込んだゴミを受け止める
排水バスケットは「ゴミ受け」とも呼ばれ、シンクから流れてきたゴミや食べかす、野菜くずを受け止める役割を持っています。
バスケットの形状は、浅型・深型・細型の3種類に分けられます。
ゴミが排水バスケットを通過し、排水溝に流れ込んでしまうと、悪臭や害虫の発生の原因になります。
2.排水トラップ:下水からやってくる害虫・悪臭を防ぐ
排水トラップは排水バスケットの下部にある部品です。お椀のように排水溝を覆って、下水からやってくる害虫・悪臭を防ぐ役割があります。
その形状から、「椀トラップ(ワントラップ)」と呼ばれます。
椀トラップの内部には、「水封」と呼ばれる水が常に溜まっています。シンクに水が流れると、新しい水が椀トラップに入り込み、古い水と一緒に害虫・悪臭を下水に押し流すようになっています。
3.排水ホース:シンクに流れた水を排水溝へ流す
排水ホースは、排水トラップと接続し、シンクの水を下水道へ排水するためのホースです。
その形状は、「ネジ式排水ホース」「差込式排水ホース」「Y字型排水ホース」の3種類に分けられます。
ネジ式排水ホースと差込式排水ホースは、一般家庭のキッチンでよく使われる排水ホースです。
Y字型排水ホースは業務用の部品で、主に飲食店で使用されます。
どのタイプの排水ホースも、素材はビニールでできているため、長期間使用すると経年劣化を起こします。排水ホースを交換することで、排水口の悪臭や詰まりが改善する場合があります。
台所排水管が詰まった時の2つの対処法
キッチンの排水口が詰まる原因は、台所排水管のメカニズムと深く関わっています。
ここでは、台所排水管が詰まった時の対処法を2つ紹介します。
1.排水バスケットや排水トラップの異物をとりのぞく
まず、排水バスケットや排水トラップに異物が溜まっていないかチェックしましょう。
表面的な詰まりであれば、これだけで問題が解決します。
排水バスケット(ゴミ受け)の内部に大量のゴミが溜まっていると、カゴ部分の穴が詰まり、水が流れにくくなります。
また、排水トラップはお椀のような形状をしているため、排水管との隙間に異物が溜まりやすくなっています。排水トラップにも、爪楊枝くらいの小さなゴミが流れ込みます。
そのため、排水バスケットだけでなく、排水トラップの内部も定期的に掃除しましょう。
2.排水管の高圧洗浄を行う
台所の詰まりの原因が排水管の奥にある場合、通常の手段では解消できません。
油や髪の毛、小さな食べかすなどが排水トラップを通り、排水管の内部に流れ込むと、排水管の形状によっては奥の方で詰まりを起こします。
一直線の排水管だと詰まりは起きにくいですが、S字型やクランク型の排水管の場合、カーブ部分で異物が詰まりやすくなっています。
自分の手が届かないところで詰まりが生じた場合、市販のパイプクリーナーを注入して汚れを分解するか、ラバーカップを排水溝に押し当てて吸引しましょう。
それでも詰まりが解消されない場合は、専門の業者に依頼し、高圧洗浄機で排水管清掃を行う必要があります。
週に1度の掃除で悪臭を防ぐ!台所排水管の清掃方法
台所排水管の詰まりを予防するには、定期的な清掃が欠かせません。
週に1度シンクや排水口を掃除するだけで、悪臭や詰まりを未然に防げます。
台所排水管の清掃に役立つのが、お酢と重曹(炭酸水素ナトリウム)です。
まず、排水バスケットや排水トラップを取り外し、軽くこすり洗いしてから排水口の上に重曹(200cc)を振りかけます。
次にお酢(100cc)を流し入れると、お酢と重曹が反応し、泡が発生します。そのまま30分~1時間ほど経ったら、60℃以下のぬるいお湯を排水口に注ぎ入れます。
最後に排水口の部品を元通りに取り付ければ清掃完了です。
また、市販の水切りネットを排水バスケットにかぶせておくだけでも、悪臭や詰まりを予防できます。排水バスケットと水切りネットでゴミを二重に受け止めれば、排水管の奥に異物が流れ込みづらくなります。水切りネットごと捨てれば、排水管内のゴミの大半を除去できるため、清掃が楽なのもポイントです。
台所排水管の構造を理解して悪臭や詰まりを予防しよう
台所排水管は、「排水バスケット」「排水トラップ」「排水ホース」の3つの部品で成り立っています。
もし悪臭や詰まりが発生したら、排水バスケットや排水トラップ内の異物が溜まっていないかチェックしましょう。ゴミを取り除いても詰まりが解消しない場合は、排水管の奥に異物が溜まっている可能性があります。
市販のパイプクリーナーやラバーカップで解消する場合もありますが、なかなか詰まりが改善しない場合は専門業者による高圧洗浄が必要です。
悪臭や詰まりを予防するなら、お酢や重曹が役立ちます。
週に1回くらいの頻度で、定期的に清掃を行うことが大切です。