コラム

重曹を活かした掃除方法について

掃除用品や掃除に役立つアイテムはたくさん存在していますが、重曹というシンプルなアイテムの素晴らしさをご存知でしょうか?重曹を使った掃除方法は大変注目されており、その幅広い適応範囲の広さから、実際に掃除で示す高い効果が様々なシーンで着目されているのです。そこで、重曹の持つ効果やどのように重曹を利用したらよいのか、その具体的な方法をご紹介します。

掃除に大活躍!知られざる重曹の効果

重曹は掃除に役立つアイテムとして古くから良く知られた素材の一つです。とはいえ、どのように使用したらよいのかいまいちよくわからない方もいるのではないでしょうか。そこで、重曹とはそもそも何なのか、どのように掃除に使用すれば高い洗浄能力を発揮できるのか、気になる点を掘り下げてみましょう。

重曹とは

そもそも重曹とは何でしょうか。重曹とは、ナトリウムの炭酸水素である炭酸水素ナトリウムの事です。白い粉末状の物で、重炭酸ナトリウムとか、重炭酸ソーダともいわれます。重曹には、食用、医療用、工事用の三種類あるのが特徴です。食用として使われる際に代表的なのは、お菓子作りの際にベーキングパウダーとして使用されることでしょう。また、お肉を柔らかくするために使ったり、野菜のあく抜きにも使ったりすることがあります。

医療用に用いられる場合には、胃腸薬に使われることや人工透析液として使用されることがあります。そして、工業用として使用される場合、消火器や製紙の材料に使われることや精密機械の洗浄や外壁の汚れを取るために使われることもあります。掃除に使用する重曹は、この工業用の重曹を使うことになります。

重曹の持つ効果

では、重曹を掃除に使用する場合、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。代表的な効果を下記にまとめてみました。

油を分解する

洗い物をする際に一番といってもいいほど頑固な汚れになるものが油です。油がこびりついてしまうと普通の洗剤を使用してもなかなか落ちず、大変な思いをされた方も多いのではないでしょうか。重曹を用いると、アルカリ性の重曹が酸性の油と反応して、石鹸のような性質に変化し、油汚れをしっかり浮かして取り除いてくれます。食器だけでなく、油汚れが付きやすいコンロや換気扇、また、意外に油が飛び散ってべたべたになりがちな電子レンジなど、あらゆる場所、あらゆる形状の物でも重曹であれば柔軟に対応することができるため、大変重宝します。さらに、油汚れの中でも生活の中でどうしてもつきがちなドアノブなどについた手の油も、重曹で軽く拭くだけで簡単に取れてしまうので、ちょっとした時間にさっと行うことのできるお掃除としても自分の生活に定着させることができるでしょう。

クレンジング効果

重曹が落としてくれるのは油汚れだけではありません。重曹は水に溶けにくいので、重曹を粉のままで食器を洗うと研磨剤のような働きもしてくれるのです。この働きによって、通常のスポンジや洗剤では落とすことのできない茶渋などの頑固な汚れにも対応することができるのです。茶渋などはどうしても取れないものとあきらめてしまっている方は少なくないでしょう。諦めてしまう前にぜひ重曹を試してみるとよいでしょう。重曹で研磨するといっても、重曹の粒そのものはそれほど固くないので食器そのものを傷つけてしまう心配もありません。

脱臭効果

重曹には脱臭効果もあります。アルカリ性の重曹は、食べ物や汗のにおいなど嫌な匂いの原因となるものに対して働きかけ、酸性の匂いを取り除いてくれるのです。ですから、なんとなく臭くなってしまった冷蔵庫の中に重曹を入れておくと脱臭効果が期待できますし、食品以外にも生ごみや下駄箱など、嫌な匂いの発生源となりそうな場所に重曹を置いておくことで臭いを予防することができます。

汚れを浮かす効果

アルカリ性の重曹は酸性の物と反応することによって汚れを浮き上がらせる効果があります。汚れが浮き上がるとそれだけ汚れを取りやすくなりますので、頑固な汚れを落としたいときにはぜひとも活用したいものです。特に、ヌメリのある排水管の掃除をする際にも重曹は大活躍し、汚れを浮き上がらせてきれいな洗浄をすることに一役買ってくれます。

このように重曹にはいろいろな場所に対していろいろな方法で使用することのできる便利な性質があります。使い方としては、粉のままそのまま使う方法、水に溶かして使う方法、ペースト状にして使用する方法、など用途に合わせた柔軟な使用方法があります。お掃除をしたい場所が決まったら、どのような方法で重曹を使うのが一番効果が期待できるかを考え使用していきましょう。

重曹を使ってはいけない素材

掃除に便利な重曹ですが、重曹を使ってはいけない素材というものもありますので注意しましょう。使ってはいけない素材として、アルミ、フローリング、畳、ジュード素材のラグ、イグサを編んだラグ、などがあります。天然素材の物は基本的に重曹を使用すると変色すると考えておきましょう。また、テレビやパソコンの画面にも使用してはいけません。さらに、木製品や竹製品、漆塗りなどのデリケートな者にも重曹は使うべきではありません。なぜなら、重曹には研磨作用があるために、重曹で掃除をすることによって元の素材が傷ついてしまう恐れがあるからです。

重曹を使った掃除の方法

重曹の効果や使い方が分かったところで、より具体的な掃除場所に合わせた重曹の使い方についてご紹介します。どの場所もほうっておくとどんどんと汚れがたまっていってしまうような場所ですので、重曹を駆使してピカピカにしていきましょう。

キッチン編

コンロ

キッチンには汚れが貯まるものの洗いにくい場所というものがいくつも存在します。そのうちの一つはコンロです。キッチンの中でも最も汚れやすい場所といっても良いでしょう。コンロで一番厄介な汚れとなるのは何といっても油です。様々な料理に油は必要不可欠のものですので、コンロの周りには油が飛び散ってしまい頑固な油汚れへとなってしまうのです。そのような時には、まずはコンロの部分を外すところから始めましょう。外せる部分を外したら重曹を溶かした水の中につけておきます。

その間にコンロの上には粉状の重曹をまんべんなく振りかけます。この時に振りかけた重曹が重なってしまうことの無いようにしましょう。もしも重なってしまうとそこで固まってしまい重曹の十分な効果が得られないことがあるからです。そのため、きれいにしたいという気持ちが強いとついついたくさん振りかけたくなってしまいがちですが、薄くコンロ全体を覆うように重曹を振りかけるとよいでしょう。その後、振りかけたコンロの上にキッチンペーパーをかぶせ、30分ほど放置します。この時間で汚れが浮き上がってきますので、浮き上がってきたところをボロ布などでしっかりと拭き取りましょう。水につけておいて部品もスポンジでこすって洗い流せば完了です。たったこれだけですが見違えるようにきれいになるでしょう。

換気扇

また、キッチンで厄介な部分に換気扇があります。歓喜と同時にほこりやキッチンの油を吸い取ってしまうため、換気扇もいつの間にかべとべとになっているものです。お掃除をする際にはまず、換気扇の下に新聞紙などを敷いておきましょう。そうすれば換気扇から落ちてきた汚れによって床が汚れるという二次被害を予防することができます。それから、換気扇の部品を外します。

換気扇の部品を外したら、重曹を水200mlに対して大匙の割合で溶かした重曹水を換気扇フードに吹き付けましょう。まんべんなく吹き付けたらそのまましばらく放置します。その間に取り外した換気扇の部品にもペースト状にした重曹を塗りつけていきます。重曹4に対して水1の割合であればちょうどよいペースト状の重曹となるでしょう。こちらもまんべんなく塗ったなら30分ほど放置しておきます。

その後お湯で濡らした雑巾で換気扇フードの重曹を拭き取ります。乾いた後の状態も確認し、白い粉が残らないようにしっかりと拭き取っておきましょう。そののち、部品の塗り込んでいた重曹をやはりお湯で濡らした雑巾で拭き取っていきます。やはりこの部品も重曹の白い部分が残らないようにしっかりと拭き取っておきましょう。これだけで頑固な換気扇の汚れもかなりの程度落とすことができるでしょう。

お風呂場編

お風呂掃除にも重曹は高い効果を期待できます。浴槽はぬるぬるしているとお風呂にせっかく入っても気持ちのいいものではありません。重曹を使えば、こうしたお風呂のぬるぬるも除去することができるのです。その方法としては、まず浴槽をお湯で洗い流し、その後に重曹を振りかけます。ある程度まんべんなく重曹がかかったら今度はスポンジを使ってまんべんなく塗り込んでいきましょう。あとは、お湯でしっかりと重曹を洗い落とすだけです。お風呂用の洗剤を使わなくても重曹があれば快適な浴槽を維持することができるでしょう。

また、シャワーなどの複雑な構造の部分にはペースト状にした重曹を塗ってからしばらく放置しておき、水で洗い流すと効果的です。ペースト状なので、スポンジが入りにくいような形状のところにもしっかりと入り込み汚れを浮かしてくれます。

洗濯機編

重曹で洗濯機も掃除をすることができます。手順としてはまず洗濯機に水を入れます。できる限り多めに水を入れるとよいでしょう。これは縦型の洗濯機であろうと、ドラム式の洗濯機であろうと変わりません。それから、洗剤を入れるようにして重曹を洗濯機に入れます。大体、200ccの重曹であれば十分でしょう。その後洗濯機を回して一晩放置します。一晩おいたら浮いている汚れをすべて救いだし、排水管で流してつまらないようにしておきましょう。それから再度洗濯機を回します。すすぎと脱水を2回ほど繰り返したら今度は洗濯機のふたを開けて十分乾燥させましょう。少し時間のかかる方法ですが、手の届かないところまでしっかりと洗浄することができます。

窓編

重曹を使用して窓を掃除することもできます。使い方としては重曹水をまず作り、それを雑巾にしみこませるかスプレーにします。どちらかというとスプレーの方が拭いた跡が窓に残らずよいかもしれません。まんべんなく吹きかけておけば、汚れが浮いてくるのであとは軽くふくだけでOKです。この時に仕上げと思って水拭きをしてしまうとその後が残ってきれいな仕上がりにはなりませんので注意しましょう。窓は下手に拭いたりするとかえって汚れが目立ってしまいかねない場所です。重曹を使って、上手に汚れを取っていきましょう。

ベランダ編

ベランダは水で掃除することもできますが、床にこびりついた汚れを落とすのが非常に難しいときもあります。ベランダを掃除する際に重曹を使う場合には、重曹水をベランダにまきしばらく放置して汚れを浮かしましょう。そしてある程度の時間が経過したら、重曹水が乾燥してしまう前にブラシでこすりましょう。その後は、通常のベランダ掃除の手順で、水で洗い流せば、重曹によって浮かび上がった汚れも一気に落ちるので効率よくベランダをきれいにすることができます。

網戸編

網戸をお掃除する際にも重曹は効果的です。この際も重曹水を作り、網戸全体に吹きかけていきます。その後少し放置してからメラミンスポンジを使用して軽めの力で上から下へと動かします。力を入れすぎないことが一つのコツで、こうした簡単な作業でも十分に網戸の汚れを落とすことが可能です。網戸は、風によっていろいろな汚れが付着しやすい場所ですし、網戸が汚れていると風の通りも悪くなります。このようなこまめなお掃除を習慣にしていつお快適なお部屋で生活できるようにしておきましょう。

 

まとめ

重曹は、様々な使い方で様々な場所に対して高い効果を発揮する優れたお掃除アイテムです。市販されている重曹は大変リーズナブルで手に入りやすいので、重曹水を常に作って置けばあらゆる場所をすぐにお掃除することも可能です。汚れを除去する効果だけでなく、脱臭作用も期待できますのでぜひご家庭で重曹をストックしておきましょう。年末の大掃除の際にはもちろん、日ごろのお掃除でも重曹を使えばいつでもピカピカな環境で生活を楽しむことができるでしょう。

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