コラム

蛇口の水漏れの原因と対処法

蛇口から水漏れしているから業者を呼ぼう、と考えている方もいらっしゃるかと思いますが、蛇口からの水漏れは素人でもその気になれば直すことは可能です。もちろん、状態にもよりますが原因次第では業者を呼ぶまでもなく直すことができるのです。ここでは蛇口からの水漏れ原因や自分でもできる対処法などについてご紹介しますからぜひ参考にしてください。

蛇口の種類と特徴

微生物が主な原因

一口に蛇口と言っても種類があります。蛇口の種類があることを知っていないと直すことはできませんから、まずは蛇口の種類について学びましょう。と言っても、今現在住宅で使用されている蛇口は大別すると二種類だけです。ここでは住宅で主に使われている二つの蛇口についてご紹介します。

シングルレバー

正式にはシングルレバー混合水栓と呼びます。業者だと単純にシングルと呼ぶことがありますが、現在では多くの住宅でこのタイプが使用されています。キッチンはもちろん洗面化粧台や浴室などでも使用されるケースが多いですし、多くの家庭で目にする蛇口です。見た目もスマートですし、操作性の良さから新築戸建てからマンション、アパートなどあらゆるシーンの水回りに使用されている蛇口です。

もっとも大きな特徴は一つのレバーを操作することで水を出すことができ、お湯と水とを切り替えられることです。温度調整などもレバーを微妙に操作することで可能になっていますし、使い勝手の良さが強みと言えるでしょう。さまざまなメーカーから販売されていますし、細かい機能も製品によって異なってきます。多くの製品にはバルブカートリッジという部品が用いられています。

ハンドル混合水栓

ハンドル混合水栓は二つのハンドルが備わっているタイプの蛇口です。最近では少なくなっていますし、あえてこのタイプを使うことは少ないのではないでしょうか。歴史の長い蛇口ですし、古い住宅だと未だにこのタイプを使っていることが多いです。右のハンドルが水、左がお湯と視覚的に分かりやすいですし、直感的な操作ができるというのが強みと言えるでしょう。

シングルレバーだとレバーを上下左右にスライドさせることで水栓の開閉を行い、温度調節なども行うのですがハンドル混合水栓だとハンドルを回すことによって行います。温度調節のときには水かお湯を出しながらどちらかを少なくしたり多くしたりして調節していきます。レバー一つで簡単に調節できるシングルレバーに比べるとやや面倒くさいですが、これに慣れ切っている方からすると逆にシングルレバーのほうが使いにくく感じることもあります。

シングルレバーにはバルブカートリッジが内蔵されていますが、ハンドル混合水栓には用いられていません。つまり、もともとの設計やメカニズムが異なるということになります。そのため、故障して水漏れが起きるときの原因もシングルレバーとハンドル混合水栓では異なることがほとんどです。

蛇口・混合水栓の水漏れが多い箇所とその原因

蛇口の水漏れが起きやすい部分とそうでない部分がありますので、そこも知識として知っておきましょう。水漏れが発生するパターンはいくつかありますし、だいたいそのパターンに当てはまります。もちろん、稀にまったく予想もしないところから発生することもありますが、ほとんどはここでご紹介するパターンに該当するでしょう。

シングルレバーの場合

シングルレバー混合水栓にはバルブカートリッジが内蔵されているというお話は先ほどもしたと思います。シングルレバーの場合このバルブカートリッジが故障してしまうことによって水漏れが発生します。水が蛇口からぽたぽたと出てしまう、または水が噴きだすということもあります。シングルレバーはバルブカートリッジが原因で水漏れが発生するケースが多いということをまず覚えておきましょう。

ハンドルの下から漏れる

シングルレバーはハンドルを上下左右にスライドすることによって操作しますが、そのためにハンドルが稼働する設計となっています。そのハンドルと本体のジョイント部分から水漏れが起きてしまうことがよくあります。ハンドルを上に上げれば水が出る製品が多いですが、この時に吐水口ではなくジョイント部分から水が漏れてしまうことがあるのです。

これはバルブカートリッジが消耗していることが主な原因であることが多く、古くなった蛇口で起こりがちな現象です。一気に大量の水が噴きだす、といったことはありませんが、ちょろちょろと水が漏れるために余計気になってしまうこともあるでしょう。できることなら早めに対策をしたほうが良いかもしれません。

スパウトからの水漏れ

スパウトというのは銅体のことです。この銅体と本体とを繋いでいる接続部分から水が漏れてしまうこともよくあることです。水を止めている状態で水漏れが起きることはありませんが、水を出そうとすると同時にジョイントから水漏れをしてしまいます。先ほどと同じようにちょろちょろと水が漏れることが特徴で、これもバルブカートリッジの摩耗が大きな原因と言えるでしょう。

スパウト下部からの漏れ

先ほどはスパウト上部でしたが、下部からも漏れることはあります。症状は先ほどと同じようにちょろちょろと水が滴るような漏れ方で、一気に噴き出すようなことはほとんどありません。バルブカートリッジが劣化してしまうことによってこのような症状が発生します。ここまでで何となく理解できたかもしれませんが、水漏れはだいたいジョイント部分から起こることがほとんどなのです。

止水栓の接続部

水漏れは何も蛇口本体から起きるとは限りません。止水栓から水漏れしてしまうことは多々あります。止水栓は基本的に見えないところにありますから気付くまでに時間がかかることもあるため注意しなくてはなりません。止水栓からの水漏れは主にナットの緩みやパッキンの劣化が原因だと考えられます。今まで何ともなかったのに突然止水栓から水漏れするようになった、という場合はたいてい経年劣化です。

吐水口からの水漏れ

数ある蛇口からの水漏れの中でももっともポピュラーなのが吐水口からの漏れです。レバーをしっかりと閉めているにも関わらずポタポタと水が滴ってしまいます。水が滴る音が気になってしまいますし、水を無駄にしています。酷い場合だと水道代が跳ね上がってしまうこともありますので注意しましょう。こちらも主な原因はバルブカートリッジの消耗によるものです。

ハンドル混合水栓の場合

ハンドル混合水栓はシングルレバーに比べて寿命が長いという特徴があります。それゆえに今でも多くの古い住宅で使用され続けているのですが、やはり年月が経つにつれてさまざまな部分が劣化していきます。ここではハンドル混合水栓で水漏れが多い箇所を見ていきましょう。

ハンドルからの水漏れ

ハンドルタイプの蛇口でもっとも多いのがハンドル部分からの水漏れです。毎日のように開けたり閉めたりを繰り返していますから必然的に消耗していきますし、さまざまな部分に負担がかかってしまいます。単純にナットの緩みが原因ということもありますが、パッキンの摩耗が原因というケースが多いです。ナットの緩みが原因の場合は締めてあげればいいだけですが、パッキンの摩耗が原因だと交換するしかありません。

パイプ接続部

これもパッキンの消耗が原因で発生することがほとんどです。水が出る蛇口パイプと本体を接続している部分から水が漏れてしまうのですが、たいていは経年劣化によるパッキンの摩耗が原因です。パッキン交換をすれば直りますが、交換しないといつまでも水を垂れ流してしまうことになるでしょう。こちらもナットの緩みで水漏れするケースはあるものの、たいていはパッキンの消耗です。

吐水口からの漏れ

吐水口からの水漏れもよく起こりますが、シングルレバーと違ってこちらはパッキンが主な原因となります。ハンドルをいくらしっかり閉めこんでいたとしてもパッキンが劣化してしまうと水が漏れてしまうことは防げません。パッキンを交換すれば水漏れを改善することができますから、まずはパッキンを交換してみましょう。

自分でできる対処法

蛇口の水漏れはその気になれば自分でもできます。それほど難しいことでもありませんし、DIYが好きな方なら問題なくできるでしょう。ここでは自分できる対処法についてご紹介します。

工具を揃える

シングルレバーの水漏れを修理するために必要な工具ですが、マイナスドライバーと精密ドライバー、六角レンチ、モンキーレンチなどがあれば大丈夫です。ハンドル混合水栓の場合はプラスドライバーとモンキーレンチ、ウォーターポンププライヤー、精密ドライバーなどが必要となります。とりあえずこれくらいあれば修理は可能です。

実際の修理方法

シングルレバーの場合はバルブカートリッジが必要となります。数千円程度で購入できますし、ホームセンターで手に入れることができますから工具を揃えるついでに買っておくと良いでしょう。

シングルレバーの水漏れ修理

水漏れの修理を行うときには水が出ないようにしておく必要があります。大元を止めてしまうと家中の水が使えなくなってしまいますから、止水栓で止めます。止水栓はたいていマイナスドライバーで閉めれば止まります。止水栓がどこか分からないという場合は元栓を閉めても良いでしょう。

次にハンドル部分を外します。正面にキャップがありますからそれを外し、中に見えているネジを六角レンチで緩めます。外れたらレバーハンドルも外し、カバーも外します。カバーまで外せばバルブカートリッジが見えますから、古いものを取り外して新しいものと交換します。シングルレバーの場合だとバルブカートリッジを交換すれば大半は大丈夫ですから試してください。

ハンドル混合水栓の水漏れ修理

ハンドル混合水栓からの水漏れはたいていパッキンの劣化です。そのため、パッキンを交換するのがハンドル混合水栓の水漏れを修理する方法となります。パッキン交換をするにはまず元栓を閉めて水が出ない状態にします。元栓を閉めるとトイレやお風呂場の水も使えなくなりますからできるだけ短時間で済ませるのもポイントです。

元栓を閉めたらハンドルを外していきます。ハンドルはドライバーで外せますから、ハンドルを外してその中のナットも外します。円形のナットですからウォーターポンププライヤーを使います。ナットを外して水栓ケレップとパッキンを交換すればいいだけです。交換が終わり元通りに戻したら必ず通水テストはしてください。確認していないと後で大変なことになってしまいます。

それでも直らなかったら業者に依頼!

自分で試してみたもののどうしても水漏れが直らない、という場合は専門業者に依頼する必要があります。それ以上試行錯誤しても時間がもったいないですし、もしかすると状態が余計悪くなっている可能性もあります。いたずらに傷口を広げないためにも、出来るだけ早く専門業者に依頼してください。

業者選びの基準

実績のある会社を選ぶ

修理業者を選ぶときの基準はいろいろ挙げられますが、やはり実績がある会社でないと不安です。古くからその街で水道工事をしてきた会社や水回りの修理専門業者なら比較的安心でしょう。営業年数が長い会社のほうが安心ですし、過去の実績も豊富でしょうからなるべく営業年数が長い業者を選択するようにしてください。

明朗会計な業者

いくらで修理してくれるのかは業者によって変わってきます。悪質な業者だと驚くような高額料金を請求されてしまいますから、事前にホームページなどで料金を確認しておきましょう。優良業者ならホームページ上に料金を掲載しているはずです。明朗会計な業者でないと後々トラブルになってしまうことも考えられますから注意してください。

まとめ

蛇口の水漏れが起きる原因や対策についてご紹介してきました。正しい知識とコツさえ掴んでおけば蛇口の水漏れ修理はできます。その気になれば女性でもできてしまいますからぜひ覚えておいてほしいですね。ただ、水漏れの原因はほかにも考えられることがありますし、素人では直しきれないこともあります。直せないと感じた場合は無理に修理しようとせずに専門業者に依頼することを検討しましょう。

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