マンション管理はさまざまな設備の定期点検が必要です。法定点検が求められる設備もありますが、排水管の点検は法律では義務付けられていません。しかし、排水管の点検を怠って放置してしまうと、知らず知らずのうちに汚れが溜まっていることがあります。悪臭や害虫の発生、排水管の故障による水漏れなど、さまざまなトラブルの原因です。管理人に向けて、清掃をすべき理由や洗浄方法、作業時間や費用の相場をご紹介します。

清掃をすべき理由

マンションの清掃をしたことがない管理人もいると思います。しかし、清掃を怠ると後々大きなトラブルが発生するかもしれません。なぜ、清掃をする必要があるのでしょうか。

汚れが付着しやすい設備

マンションの排水管は汚れが付着しやすいです。特に、雑排水管は各家庭のキッチンやバスルームから汚れが流れてきます。特殊な機材を必要とするため、管理人や各部屋の住民が自ら洗浄するのは恐らくできません。高圧洗浄機を使い、ジェット噴射で管内に水を流して汚れを落とすのが一般的な洗浄方法です。

自主的な点検が必要な設備

排水管は法定点検の項目ではありません。つい見逃しがちな部品なので清掃せずに放置している可能性が高いです。長い間清掃しないまま放置しては汚れが落ちにくくなります。また、さまざまなトラブルが発生して、住民からクレームが出るかもしれません。マンションの管理人なら自主的な点検と定期的な清掃を心がけましょう。

清掃を怠ったときのトラブル

清掃を怠ると起きるトラブルはさまざまです。たとえば、排水管の故障や悪臭・害虫の発生などが考えられます。

・悪臭や害虫の発生

汚れた排水管は悪臭の原因です。また、汚さゆえに害虫が繁殖しやすい環境のため、ゴキブリなどが発生してしまう恐れがあります。住民からのクレームの原因になりうるため、定期的な洗浄を行いましょう。

・排水管の故障と水漏れの発生

排水管の流れが悪くなると、水を流したときに排水管へかかる負荷が大きくなります。すぐに壊れることはありませんが、無理に水圧をかけ続けた結果、排水管が故障することもあるかもしれません。排水管が故障すると水漏れを起こしてしまうため定期的な洗浄を心がけましょう。

排水管の構造

マンションの排水管の構造を知ると故障の原因がわかりやすいです。どのような構造になっているかをご紹介しましょう。

排水管の構造

マンションの排水管は各階縦につながっています。マンションの雑排水は、101号室と201号室は同じ始点マスへ流れる構造です。各階の2号室以降の居室から出た雑排水や汚水は合流マスに行き、やがて排水本管へ流れていきます。合流式の排水方式の場合、各居室にあるキッチン、浴室、洗面台、トイレの水は縦の排水管を伝い、始点マスまたは合流マスにたどり着きます。

縦の排水系統が故障しやすい

排水管の構造上、マンションで水漏れが起きた場合は縦の居室の排水管故障を疑います。特に下の階は上の階から流れてくる排水の負荷を一手に引き受けるため、負担が大きいのです。例えば、1階で水漏れが起きている原因は2階の排水管の故障かもしれません。よく1階と2階の排水管清掃が大切と言われますが、このような理由があるからです。

分流式の排水管構造

ここまでは排水管の構造が合流式であるものとしてお伝えしました。しかし、分流式の排水システムを採用しているマンションもあります。キッチンや浴室、洗面所から出る雑排水と、トイレから出る汚水に分け、別々の排水管から流すのが分流式です。また、キッチンから出る雑排水は詰まりの原因になりやすいので排水管を分けていることもあります。

清掃の方法

マンションの清掃を依頼した場合、どのように行われるのでしょうか。ここでは、一般的なマンションの排水管清掃の方法をご紹介します。

特殊ワイヤーで高圧噴射

排水管の清掃は特殊な洗浄ワイヤーを使用します。ワイヤーをキッチン、浴室、洗面台、洗濯パンの排水管内に挿入し、高圧水を噴射して汚れを落としていく方法です。排水管の洗浄は下流から上流、つまり1階から上の階に向かって行います。1階から順に清掃する理由は、上から掃除すると下の階で詰まりを起こしたときに排水管への負担がかかるからです。

各居室で洗浄を実施

マンションの清掃は各部屋で行います。各居室で行うため、事前に実施日や実施時間をアナウンスするのが管理人の努めでしょう。業者側で対応するケースもあります。なお、排水管の洗浄時のポイントは以下の通りです。

・キッチン

キッチンの排水管は汚れが付きやすいです。もし長期間洗浄を怠ると、汚れの層は厚く蓄積されて詰まりを起こします。油物を使った料理をすることが多いご家庭では、特に排水管の汚れの付着のペースが速い場合が多いです。

・浴室や洗濯パン

浴室や洗濯パンの排水管は髪の毛や汚れが溜まりやすいです。人の皮脂や垢が排水管に付着すると、雑菌が繁殖してヌメリになります。そこに髪の毛や汚れが溜まって詰まりや悪臭の原因となるため、定期的な洗浄をしなければなりません。

トイレの排水管の洗浄

トイレの排水管の水量は、管に汚れが付かないくらい水圧が出る設計になっています。一般的には清掃のときにトイレの清掃を行うことはありません。ただし、トイレに固形物を流して詰まりのトラブルが起きることはあります。特殊なトラブルが起きた場合、トイレの清掃が必要になることもあるでしょう。トイレの清掃は別途お見積りです。

マンションの排水管清掃の作業時間の目安や費用相場

マンションの排水管清掃を依頼する場合、費用や時間は業者により異なります。また、清掃内容によって多少の差が出るものです。一般的な費用相場や作業頻度、作業時間の目安について見てみましょう。

1戸あたり5,000円前後が相場

マンションの排水管清掃は1戸あたり5,000円前後が相場です。ただし、敷地内に高圧洗浄車を置くのが大変、排水管の構造的に洗浄が難しい、忙しい土日か平日対応もできるかなど、さまざまな要因があります。細かい作業内容の違いによって、1,000円前後の上下はあるかもしれません。

最適な定期洗浄の頻度

新築物件は3年目か4年目に初めて定期洗浄を行うケースが多いです。それ以降は2年に1回程度行えば十分でしょう。普通の掃除では排水管の奥まで洗浄できません。業者による定期洗浄を受け、排水管を清潔な状態に保つようにしましょう。

ディスポーザー付きの排水管は高頻度で清掃

ディスポーザーは生ごみを粉砕して、そのまま下水に流せる排水システムです。便利さからマンションでは人気ですが、排水管に与える負荷は大きくなります。野菜のくずや卵のカラは水と一緒に流れていきません。排水管の汚れが集まりやすく汚れもつきやすいです。清掃は1年に1回の頻度で行うとよいでしょう。

1戸あたりの作業時間

1戸あたりの排水管清掃の時間は15分前後です。ただし、各居室の人が排水口付近を片付けていないと時間がかかることがあります。事前に住民へ告知を行い、スムーズに作業できるようにしていただくのが早く清掃を終わらせるポイントです。

まとめ

管理人の責務を果たすならマンションの排水管清掃は定期的に行うべきです。なぜ、マンションの排水管清掃が必要なのか、どのような方法で洗浄すべきかがわかると、排水管清掃の必要性が理解できると思います。マンションの排水管の構造や清掃にかかる時間や費用を把握し、定期的な清掃ができるように努めましょう。